テレビ

市川拓司のおすすめ作品は?ドラマや映画化した小説は?

市川拓司のおすすめ作品は?ドラマや映画化した小説は?
Pocket

ユニーク感がぬぐえない小説家、市川拓司さん。

ご自身で「僕の職業は愛妻家」ともおっしゃっていて微笑ましいですし、たしかに奥様は作品にもよく登場されています。

これまでにも「私小説」をはじめ、数々の作品がドラマ化や映画化もされていますが、おすすめの作品をご紹介します。

市川拓司さんは発達障害のひとつ、自閉症スペクトラムであることを公表されています。

感性の鋭さの原点になっているのかもしれません。

今回は「市川拓司のおすすめ作品は?ドラマや映画化した小説は?」と題してお届けします。

 

Contents

市川拓司のおすすめ作品は?

デビューは、2002年の「Separation」

その翌年には「いま、会いにゆきます」が映画化され大ヒットしています。

100作を超える作品のなかから特におすすめの作品を紹介します。

 

いま、会いにゆきます

市川拓司、2作目となる小説です。

子どもと一緒にいつもどおりの散歩に出かけた巧が町はずれの森で出会ったのは、亡くなったはずの妻、澪です。

澪は、最期の言葉どおりに二人の元へ戻ってきたのです。

しかし、記憶を無くしており共に暮らす中で記憶が戻るようにと思い出話をする巧。

出会いから一人息子の祐司を授かるまでの愛おしい日々の出来事は澪のなかに懐かしい暖かさをもたらしつつも、人生の先に起こることをかつての自身の日記から知ってしまいます。

雨の季節の終わりとともに二人の元を去る澪ですが、祐司が18歳になるまではあるプレゼントを毎年、残していくのでした。。。

最期には全ての謎が回収され、市川拓司風パラレルワールドが展開されています。

本作品は、澪役に竹内結子、巧役に中村獅童で2004年に映画化がされています。

この共演をきっかけに2005年6月にふたりは結婚し、同年11月に長男を授かるも幸せだったのだろうかと疑問に思う報道が目立ち、短い結婚生活を終えます。

残念なことに澪役を演じた竹内結子は今はもうこの世に存在しません。

はかなげなその姿、あの笑顔が映画と現実でリンクし、考えさせられます。


発達障害だから強くなれた

2021年7月に発売されています。

帯には「アスペルガー/ADHDと診断され「問題児」と呼ばれたぼくはいかにして世界的ベストセラー作家となったのか?」とあります。

この5年前の「ぼくが発達障害だからできたこと」の続編ととらえることができます。

「発達障害」については、インタビューでも「遺伝的傾向があることに一族だぜ!と誇りを持っている。「偏り」こそがぼくの個性」とおっしゃっています。

周りとの比較、関係性をありのままに肯定的に受け入れ、決して人を傷つけない。

発達障害は遺伝的個性でアイデンティティでもあるようです。

「ぼくが発達障害だからできたこと」に関してこのようにおっしゃっています。

「ぼくはこの本で発達障害の症状を羅列するのではなく、当事者の息吹きのようなものに触れて追体験をして欲しかったんです。

追体験は疑似体験でもあるから、それこそが情報が知恵に変わる瞬間です。」と。

市川拓司のドラマや映画化した小説は?

作品が評価されるとドラマ化や映画化し、さらに多くの反響があります。

その中でも秀逸の作品がこちらです。

 

私小説

2018年3月に刊行された本署は2016年の「ぼくが発達障害だからできたこと」の副読本的位置づけとなっています。

私小説とは「自分語り」つまり日記的なものが多いのですが本著もモデルはご自身夫婦です。

脳がフル回転するがゆえに「数分書いては過敏である脳の興奮を鎮めるために走る」という一日は平均的人間には理解し難く、ご自身のことを「ぼくは選択的発達者」とおっしゃっています。

驚かされるのは、目次の多さです。

目次だけで、満腹になりそうです。

表紙には「作家は真実の言葉で嘘をつく」とあり、ページを開く前に迷宮入りします。

また内容が多岐に渡っているもののどれもが人の生活を切り出したものです。

誰にとっても生活の一部であるにもかかわらず、そこから向かう先の展開が平均的でなくなります。

この本の魅力はスタート地点では誰もが同じなのに、著者のとらえ方、進み方でそうなるのかあと新しい展開を発見することにもあるかと思います。

飛行機に乗ることを想像するだけで卒倒するのに、そんな自分のせいで旅行にも行けない奥様のためにフランス行きを決意するなど読み始めたことを後悔させない作品です。

本作品は、2023年4月、テレビ朝日で2夜連続でドラマ化されます。

伊佐山ジン(市川拓司)役を瀬戸康史さんが、そして奥様の優美役を上野樹里さんが演じてます。

まず、奥様の名前を優美とされているあたり、すでに「僕の職業は愛妻家」らしさ発動です。

市川拓司さんのお写真を拝見しましたが、その役を瀬戸康史さんが務められることは運命的要素がありそうです。

ご自身では「愛を求めているけれど不器用なタイプ」とのことですが、もしかしたらその辺も共通点でしょうか。

見比べると体温が一緒というか眼差しがよく似ているのです。

障がい者との結婚とかの枠組みではなく、結局は個人対個人のストーリーなんですよね。

2夜連続の放映が待ちどおしいです!

 

その時は彼によろしく

2004年の作品です。

2007年に平川雄一郎監督により映画化されています。

主人公 遠山智史が経営するアクアプランツのお店に森川鈴音という美しい女性が現れ、バイトとして雇ってほしいとお願いします。

さらには住む家もないので店に住まわせてほしいとも。

智史には、13歳の時の記憶が強く根付いていました。

それは滝川花梨という女の子でしたが、実は森川鈴音であることに気づきます。

そのことを彼女に伝えると「やっと気づいてくれたのね」という反応がありましたが、直後にここを出ていくことを告げられます。

これ以上言うとネタバレになりますね。

市川ワールドはご自分でお確かめくださいね。

森川鈴音役は長澤まさみさん、遠山智史約は山田孝之さんが演じています。

まとめ

通常の枠を超えた展開が数多くあります。

それが目の前で繰り広げられたなら、平均的発達の人からみれば「常識の外」で奇想天外かもしれません。

同様のことを小説のなかで読むと関心を持って読み進めることができるというのは、本来は許容範囲のなかでのことなのだと思います。

しかし、日常においては強制された見識が邪魔をしているのではないかと市川拓司作品を読んでいると感じます。

おすすめ作品以外にも宝探しのような楽しさがある作品群です。

まずは、ドラマや映画化した小説から市川ワールドを覗いてみることをおすすめします。

今回は「市川拓司のおすすめ作品は?ドラマや映画化した小説は?」と題してお届けしました。