大学は一般的に社会へ出る一歩手前です。
専門性の高い分野、例えば医学部などは付属する病院の就職試験とも似た性質があります。
そのようななかで昨今は、性別や年齢による差別が表面化し、社会問題にも発展していましたね。
女性は産休や育休がある(男性も育休取得可能です)し、せっかく一人前に育てても年齢が高いために還元が厳しいのでは?というのが理由でしょうか。
また、再受験を挑戦する本人側からみても、年齢によっては医学部卒業後のキャリアを存分に活かせる期間が残っているのか、学費や生活費は工面できるのかなど費用対効果も気になるところです。
それだけに早く医師として活躍するために、学費が高くても私立医学部という選択肢もあるのでしょう。
なかには世間体を気にされる方もいらっしゃると思います。
そんな通常とは異なる側面を持つ再受験はどのように進めれば良いのでしょう。
我が家に巻き起こっている嵐を含めて記録していきたいと思います。
いつかこの嵐が春の温かく優しい風になることを期待しながら。
Contents
大学再受験をしたい人はどうしたらいい?
社会経験を経てある程度本人に資金の貯えもあり、自力で挑戦するなら親御さんも見守るしかないかもしれません。
後戻りの利かないお子さん自身の人生、満足のいくように挑戦することを応援するしかない立場ではないでしょうか。
しかし、資金もなくましてや大学に在学中に言い出した場合は?
はい、我が家の場合です。
そこまで子どもの年齢がいっているということは、親もそれなりの年齢になっているということです。
娘は、もともとは工学系を希望していました。
しかし、突然の体調不良からその道は厳しいことがわかりました。
体育会系の活発な娘だっただけに将来を閉ざされた気持ちになり、精神的なダメージが強く前を向けない期間が長くありました。
しかし、道は開けるものですね(本当に切り開けるかはこれから次第ですが)。
そこで関わった医療者に触れるうちに徐々に生きる気力を取り戻し、前を向き始めてくれました。
子どもの病気は、特に母親は自分の責任を感じています。
この頃から私も再び共に歩み始めました。
しかし、父親は大大大反対!
今から教育費を一から仕切り直すなんてありえないと。
私一人に大きく負担がのしかかりそうです。
それも6年間!
私立なら学費だけでも数千万円にもなります。
検討すべきこと準備したいこと
進学するためにはどのような確認や検討、準備が必要でしょうか。
- 本人の限りなく強い意思
- より高い学力を必要とする場合、学習時間確保のためにどうするか
仮面浪人
大学に在籍しながら受験勉強をすることですが、第一志望の大学へ合格できる割合は、10%前後と言われています。
大学生と受験生の2足の草鞋(わらじ)を履きこなせるかどうか。
中にはバイトも含めて一日の限られた時間のなかでブレずにやりぬく覚悟があるか再
確認が必要でしょう。
休 学
希望する大学への再入学が叶わなかった場合に備えて保険をかけておくことができます。
在学していた大学へ1年遅れて戻ることになります。
退 学
退路を断つ!
戻る場所は無い。
進むしかない。
もちろん入学料は戻ってきません。
どこにも属しないというのは結構きついものですが、その分肝が据わる状況とも言えます。
その次には、どこで勉強するかです。
宅 浪
予備校などに通わず、自宅や図書館などで自力で勉強します。
家庭教師が来てくれる場合もあります。
コロナ禍の影響もあり、今はオンライン対応の予備校も増えています。
これも宅浪と呼べるかわかりませんが、対面の予備校へ通うよりは割安の料金設定となっ ているところが多いです。
通 塾
予備校は、ビデオ講義が主だったり、集団授業だったり、個別授業や混合型もあるなど選択肢が多く、選ぶコースにより授業料の幅も大きいです。
まず、年末から年度末には多くの予備校で体験授業が始まります。
後半になるとほとんどの予備校生の合否が出ており予備校には既にいないことから、通常よりは静かな雰囲気となっています。
そのような中で見過ごされがちですが、確認したいポイントとしては、休憩時間や予備校終了後の過ごし方。
授業終了後に近くの娯楽施設で時間を使ったりおしゃべりに興じる予備校は、身を引き締める必要があります。
ほかにもまだまだ考えることはあります。
- 通塾するならその費用は?(日本の教育費用は高い!)
- 参考書代 (日本の教育費用は高い!)
- 受験費用 (日本の教育費用は高い!)
- 進学費用(入学金から支払い直すことに)
- 転居費用(必要があれば)
- 再受験に好意的な大学などの情報収集
- 精神的サポート
他にもご家庭によって様々かと思います。
大学再受験で奨学金を受けるためには?
経済的な事情で私自身が希望通りに進学できなかったこともあり学歴社会の中、それをいまだに引きずっていて、何があっても娘の希望を叶えてあげたい!と涙目になっためでたいだけのはずの定年の年でした。
うまくいけば、退職金全部使っても足りないです。
古くなった我が家を遠い目をして見つめるのでした。
(これ、いくらになるのだろう。。。)
近々定年組の同期はすでに「仕事からはフェードアウトしちゃうよね~」と涼しい風に
吹かれているというのに嵐へ立ち向かおうとしているのでした。
日々、計算機をたたき奨学金や生活費、学費の収支とにらめっこ!
厳しいというのは十分にわかるけど、だから「ダメ」という選択肢はありません。
工面する方法を探しまわっています。
娘はとうとう再受験に向け休学しました。
来年度、無事に入学できたら。。複雑な思いがせめぎあうなか、大きな計算ミスに気
づいたのです。
あてにしていた「高等修学支援新制度」。
要件はふたつ、ふたつと書いてあるのです!
- 世帯収入や資産の要件を満たしていること。
- 進学先で学ぶ意欲がある学生であること。
要件は十分に満たしていますね~と思っていたのに。。。
小さく「高校を卒業して2年以内であれば」と書かれている。
これって立派な三つ目の要件ではないですか?
結局、こちらの支援は露と消えたのでありました。
また、退職金や保険金での一時的な増額でも要件1にひっかかることがあります。
これから進学し、この制度の利用を考えている方、ご留意くださいね。
小さ~く書かれていますのでね。
となると次に頼りになるのは、日本学生支援機構の奨学金。
奨学金利用者の約7割もの方が利用しています。
その中で無利子で借りることができる第一種奨学金の利用者は30.1%、有利子で借りることができる第二種を利用しているのは41.2%です。
平均借入額は324万3千円にものぼり新卒社会人の経済的負担の大きさが社会問題にもなっています。
とはいえ、まず大学進学するのに必要なら借入ざるを得ません。
月々の返済額の平均は16,880円。返済期間の平均は14.7年。
希望する大学進学を前にして先々の負担を心配して諦めることは少ないのではないでしょうか。
この奨学金の申請を経験しましたが、難しかったです。
ユーチューブで丁寧に説明されている動画がアップされていて助かりました。
私がつまずいた箇所→数字の半角・全角の区別にお気をつけくださいね。
なぜ次に進めないのかわからず丸1日費やしました!
余談ですが、関連して調べた男女の賃金格差が気になりました。
女性は、男性の75.2%という低さなんですね。
その差が埋まっていくことが社会問題となっている返済負担の解消にもつながっていくと思います。
その次に検討されるのが、日本政策金融公庫の「教育一般貸付(国の教育ローン)」ではないでしょうか。
上限350万円(修学5年以上の大学では450万円)で固定金利1.80%で借入可能です。
日本学生支援機構の奨学金と併用できるのはうれしいです。
※奨学金によっては、複数の借入を認めていないところがあります。
説明はじっくり読むことをお勧めします。
大学独自の奨学金もありますので、各大学のホームページもご一読ください。
しかし、それだけで必要な奨学金の情報がすべて得られるわけではありません。
直接大学へ「入学希望者です」と名乗り電話をすると意外な情報が得られることもあります。
ついでに必要に応じて提携銀行の情報も得ておきましょう。
ほかには「お住いの自治体名+奨学金」で検索して得られる情報もあります。
まとめ
必要なことは何よりも揺るがない本人の意思です。
肩書がなくなり、来春の自分がどうなっているかもわからず、ひたすら勉強する。
これが続けられてやり切れたなら結果はどうであれ来春には何らかの答えが出るでしょう。
しかし、途中で先が見えなくなり、時間だけが過ぎていく。
そういうときのためにあらかじめ固い決意を紙に書き出しておき、諦めて良いのかと自分に問いかけてくださいね。
夢を叶えることができれば万々歳ですが、例えうまくいかなかったとしても、夢を追いかけ、自分の人生を選択し歩んだ期間はかけがえのない経験で、その後の人生のステップアップとなってくれることでしょう。
来春、心地よい風が吹いてくれますように願っています。
皆様にも我が家にも。