昨今の「メルカリでリストラを行う」という報道のなかで「キャリア支援プログラムの活用を」と会社側が促していました。
「キャリア支援プログラム」って何でしょう?
多くの大学で同じような名称の就職支援プログラムがありますが、あれは新卒大学生向けの就職サポートでした。
では、これは何でしょう?
調べていくと「再就職支援制度」や「追い出し部屋」なんて言葉も出てきます。
今回は「キャリア支援プログラムはリストラの予兆?再就職支援制度や追い出し部屋についても紹介」と題してお届けします。
Contents
キャリア支援プログラムはリストラの予兆?
IBMもリストラ開始!ビッグテックのまとめ
・グーグル(Google):12,000人(全社員の6%)
・マイクロソフト:11,000人(全社員の5%)
・メタ(Facebook):11,000人(全社員の13%)
・アマゾン(amazon):10,000人(全社員の3%)
・バイトダンス(tiktok):10,000人(全社員の10%) pic.twitter.com/xj2fIhIY9v— 【人材・HR業界特化】就活 / 転職 / 起業 / スタートアップ・ベンチャー投資 / M&A支援 (@HR30799441) January 25, 2023
大学で行うキャリア支援プログラムは、希望に満ちた新卒生へ向けたキラキラとしたものですが、メルカリのリストラとともに報道されたこの言葉は、どこか暗いイメージがぬぐえません。
キャリア支援プログラムの内容は?
今回、フリマアプリ大手のメルカリ仙台オフィス閉鎖とともに伝わってきた「キャリア支援プログラム」。
そのような制度がメルカリ内にあるのか検索したところ「キャリア再開支援プログラム『Mercari Restart Program』」という制度をみつけることができました。
内容は、出産・育児・介護などでキャリアの中断があった方向けの復職支援で、今回の支援とは相反する内容のもので少々皮肉な内容ですが応募画面もありました。
Googleの「退職パッケージ」
同様の内容を示したと思われるのが、今年2023年1月にGoogleが打ち出した「全世界の従業員を約12,000人削減」するとし、その後に通達された「退職パッケージ」。
グーグル日本法人の社員に届いた3/2付けの「退職パッケージ」予告の通知文の内容は、まず個人宛であること。
つまり、名指しで来たということですね(緊張が走ります)。
即刻、退職せよという内容ではないものの「早期退職すればこのような特典がありますよ」と蛇ににらまれたカエルに近い感覚があります。
抜粋と要約は次のとおり
契約書への署名と引き換えに、移行期間中にあなたをサポートするために提供される、強化された包括的パッケージの概要を説明します。その内容は以下の通りです。
- 通知機関:通知当日から90日間給与を支払う。
- 退職金:勤続年数1年ごとに1か月分の基本給+3か月分の追加基本給を支払う。
- 早期署名支払:通知当日から14日以内に本契約に署名した場合9か月分の基本給を一括で支払う。
- 休暇:未消化の休暇に対して支払う。
- 健康保険:32万5000円(税別)を一括支給する。
- 再就職支援:6か月間の専門的な再就職支援サービスを利用可能。
そのほかにも・移民サポート・メンタルヘルスサポート・ボーナス・セールスボーナスなどについても触れられています。
メルカリの通知内容
本件は整理解雇ではなく、また対応については外部の専門家や弁護士にも確認をしながら決定してきました。今回の件はコンタクト数の削減により担当いただいている業務が終了となる方々に対して、その後のアサイン先の確保が困難なことから、「キャリア支援プログラム」を活用して社外に活躍の場を求められることの検討をお願いするものです。
最近では、フジテレビの「ネクストキャリア支援希望退職制度」や博報堂の「ライフプラン選択支援制度」が思い出されますが、メルカリの詳細はまだわかりません。(2023年3月29日現在)
ちなみにメルカリは「2022年7~12月期の売上高(連結)は前年同期比18%増の842億円と国内事業は好調」となっています。
キャリア支援プログラムの次はリストラ?
ここまで来ますと、もはや予兆ではありません。
「キャリア支援プログラム」は名称こそサービス精神に彩られていますが、予告、お知らせです。
「心していてください」ということになります。
再就職支援制度や追い出し部屋とは
メルカリがリストラする予定の
ニュース見ていましたが。メルカリの撤退戦略って言ったら
いっつも思い出す。
「イギリス撤退話」2017年3月に英国に進出して
2018年12月に撤退。2018年6月期までの売上
「43万円」赤字額
「約10億4000万円」売上ウソじゃないかって?いや43万な売上
(続く1 pic.twitter.com/i605g3S71j— Joji Cokumu(赤字貿易経営者!倒産したけど今年は黒字化目指す!毒の人ではありません。) (@_596_) March 28, 2023
関連の資料を見ていると「再就職支援制度」や「追い出し部屋」などが散見されます。
どういった内容で違いはあるのでしょうか。
再就職支援制度とは
一般的に会社側の都合で退職を余儀なくされた従業員に向けて実施されます。
その要因は「経営悪化による雇用調整」と「黒字リストラ」の2種類。
コロナ禍で打撃を受け経営が立ちいかなくなったというのはよく耳にします。
他にも様々な理由で経営が傾き人員の整理が必要となった場合、雇用調整という決断を迫られることもあるでしょう。
一方、黒字リストラは、給与が高めの40代以上を解雇することにより若返りや刷新を図るもので経営不振を理由とするものではありません。
この場合、再就職が困難になる年齢層であることから各種支援を行います。
産業雇用安定センター
厚生労働省、経済・産業団体、労働組合、ハローワークなどとの連携のもと、全国的なネットワークで人材の確保や再就職をサポートしています。
従業員の再就職を検討する企業は、各都道府県にある産業雇用安定センターの地方事務所に相談し、求人の橋渡しを依頼することができます。
再就職支援サービス
早期退職者募集に応じた人や、会社都合で退職を余儀なくされた人に対して、人材紹介会社に求人の依頼を行います。
離職する従業員の勤務先である企業が、再就職支援サービスを提供する人材会社に委託費用を払って再就職先を探してもらうため、従業員は個人で再就職先を探すよりも負担が少なく済みます。
追い出し部屋とは
身につまされる名称です。
かつては、窓際族とか肩たたきなどと言われていました。
労働基準法では「30日前に解雇の予告をしなければならない」とされています。
しかし、解雇は同じく労働基準法により「客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合は、その権利を濫用したものとして、無効とする。」とされています。
つまり、下手に解雇をしてしまうとニュースなどで「不当な扱いをした酷い企業」と取り上げられイメージダウンになります。
そこで生み出されたのが「追い出し部屋」です。
過酷なノルマを課すか、単純な生産性のない作業のみ与え組織の一員として存在意義を無くし、退職に追い込むための部署です。
この場合、自主退職となりますので会社は痛くもかゆくもなく目的を果たせたことになります。
名称も「〇〇開発センター」とか「〇〇支援センター」などと、それらしく看板をあげています。
まとめ
ある日突然、職を去るという選択を迫られる。
晴天の霹靂ですね。
「キャリア支援プログラム」を活用してというけれど、それはリストラの予兆を感じさせます。
「再就職支援制度」をうまく利用して再就職できれば良いのですが「追い出し部屋」へ移動となるかもしれません。
そういえば、筆者がかつて所属していた組織にもそのような名称の部署がありましたが、皆さん活き活き伸び伸びとされていました。
あれは辞められないのか、定年まで立派に(?)勤めあげておられました。
住めば都となる方もいらっしゃるようです。
今回は「キャリア支援プログラムはリストラの予兆?再就職支援制度や追い出し部屋についても紹介」と題してお届けしました。