テレビ

カネボウとクラシエの違いは?社名変更はいつからでなぜ変えた?

カネボウとクラシエの違いは?社名変更はいつから?なぜ?
Pocket

-夢中になれる明日 Kracie(クラシエ)-

コマーシャルなどで耳にしたことはありませんか?

ヘアケア商品や漢方薬など、私たちの生活に密接な商品を生み出している会社Kracie(クラシエ)ですが、その前身が「カネボウ」だったということをご存じでしょうか。

一世を風靡したカネボウでしたが社名変更はいつから、なぜ行われたのでしょうか。

社名変更後もなお、なぜカネボウの商品を見かけるのでしょうか。

今回は「カネボウとクラシエの違いは?社名変更はいつから?なぜ?」と題してお届けします。

 

カネボウとクラシエの違いは?

今でもふたつのブランド名は目に耳にすることがあります。

両社の関係性や違いについて調べてみました。

 

カネボウからクラシエへの変遷

1887年(明治20年) 5月 東京綿商社創立

1893年(明治26年)    鐘淵紡績(かねがふちぼうせき)(株)に社名を改称

11964年(昭和39年)   カネボウハリス(㈱)を設立し、菓子事業を始める

1967年(昭和42年)   銀座にカネボウ化粧品販売(株)設立

1972年(昭和47年)   カネボウ薬品販売(株)設立

(2年後にカネボウ薬品(株)へ変更)

2001年(平成13年)   カネボウ(株)へ社名変更

2007年(平成19年)   クラシエに社名変更 

 

カネボウとクラシエの事業内容の違い

カネボウとクラシエはどこかで枝別れしたのでしょうか。

元々はカネボウなので事業内容を住み分けているのでしょうか。

 

クラシエの事業内容

次の3種で業績を上げています。

 

トイレタリー・コスメティックス事業

スキンケアやヘアケア、基礎化粧品を扱っています。

メイク落としはあるのですが、メイク用品自体は扱っていないようです。

お風呂で使えるクレンジングオイル「ナイーブ」もこちらの製品だったのですね。

娘がよく利用しています。

 

薬品事業

そうそう、薬局で購入する漢方といえば「クラシエ」です。

風邪の引きはじめと言えば「葛根湯」が定番で常備薬です。

個人的には特に鼻炎でお世話になっています。

 

食品事業

クラシエの食品?思い当たらないなあと思いましたが・・。

「甘栗むいちゃいました」や「ねるねるねるね」も!

家族全員で大変お世話になっていますm(__)m

 

クラシエの製品安全指針のなかに「予見される通常以外の使用に対しても安全を図り、不測の事故を防止する」とありました。

「想定外」という言葉に逃げないところに企業のまじめな意気込みを感じました。

 

カネボウの事業内容

今でもコスメのコーナーではカネボウブランドよく見かけます。

ヘアケア製品でおなじみの「SALA」もカネボウ化粧品だったのですね。

なんといっても主力はメイク関係。

「KATE」に「DEW」「freeplus」「suisai」などなど、誰もが知っている有名ブランドが勢ぞろいしています。

母が、私が、娘がと幅広い年代層が利用しています。

やはりクラシエとは扱う製品に重複はほぼなさそうです。

 

カネボウからクラシエへ社名変更はいつからでなぜ変えた?

社名変更の裏には壮絶なドラマが隠されていました。

 

カネボウから社名変更はなぜ?いつ?

2007年(平成19年)にカネボウ(株)はクラシエに社名変更をしています。

そこに至る経緯としては次のようなことがありました。

 

なぜ?解散に至るまで

もともとは繊維会社であったカネボウです。

1958年には経営危機に見舞われた際に労使運命共同体路線を築きますが、のちに思わぬ影響を受けることとなります。

化粧品事業を始め、1964年にはガムメーカーのハリスを買い取り食品事業へも拡大、さらに1966年には山城製薬を買収し薬品事業へも乗り込んでいきます。

1970~1980年代にはペンタゴン経営、いわゆる繊維、化粧品、食品、薬品、住宅の5事業からなる多角化路線がくり広げられました。

なかでも化粧品事業は、業界トップだった資生堂を追随する勢いでした。

しかし、好調なのは化粧品部門だけで他の事業の損失を穴埋めしていくことになりますが、忍び寄る危機を見過ごしてしまいます。

一方、団結の証だった労使運命共同体路線の存在が足かせになり、リストラに踏み切ることはできません。

2000年ころまで各部門の分社化や子会社の合併、譲渡を行うも化粧品部門のみでは立ちいかなくなっていきます。

他の部門をも補完することが間に合わなくなっていったのです。

そのころから取り入れられた「連結決算」により赤字であることが明らかになれば上場が危うくなり銀行の融資も受けられなくなる可能性があります。

結果、債務超過隠しのために粉飾決算が繰り返されることになります。

2004年にはとうとう化粧品事業を花王へと売却しようとしますが、うまくいかずに産業再生機構の手を借りることになります。

2005年5月には、カネボウ株の上場廃止が決定となります。

 

カネボウ化粧品の存続

2006年2月には、支柱となっていたカネボウ化粧品がとうとう花王へ売却されます。

「カネボウ」の商標権はカネボウ化粧品に譲渡されたためにカネボウが売却された現在でもその名を残しているのです。

「カネボウ」というブランドを後世に残し続けたいという一種の執念を感じます。

 

カネボウ解散

2007年4月、破綻目前の取締役会で「解散を定時株主総会に提出」することが決議されます。

2007年6月30日にカネボウとしての最終日を迎え、120年の歴史に幕を下ろすことになるのです。

 

クラシエの誕生

そうして、2007年7月1日にカネボウはクラシエと生まれ変わりました。

企業理念に挙げられている「クラシエの志」には「人を思いつづける」とあります。

行動規範「私たちの約束」は圧巻です。

なかでも「上司を向くな。いちばん厳しい生活者の目をもつ。」には身が引き締まる思いがあります。

「kracie(クラシエ)」という名は、「四季の変化やお客様の日々の生活の中で、商品を通じてお客様の心を晴れにする。 そんな健やかで、快適な楽しい“暮らしへ”」という願いを込めて命名されたそうです。

 

まとめ

カネボウとクラシエ。

どちらも大企業に間違いありません。

ですが、その製品は私たちの身近に常にあるものばかりです。

両者の違いや社名変更がいつから、なぜあったのかを知ることで、いつもの商品を手にするときにプラスアルファの知識としてよみがえっていただくと嬉しいです。

今回は「カネボウとクラシエの違いは?社名変更はいつから?なぜ?」と題してお届けしました。